No,003 篠竹団欒 アンケート全文

2016/12/07

会報「笛響(Fue)」03号では、阿波おどり特集の記事として徳島の阿波おどり連「阿呆連」「娯茶平連」「徳島文理大学連」(連名50音順)へアンケートを行いました。

紙面上アンケート全文を掲載することが難しかったのですが、会員専用ページにてご紹介致します。連それぞれにお写真お願いいたしましたところ、「阿呆連」さま、「徳島文理大学連」さまよりお借りすることができました。ご了承頂きまして、掲載致します。

 

「阿呆連」川口朋子様

阿呆連 笛写真3

1、いつから阿波踊りに参加されていますか。

平成4年

2、なぜ、阿波踊りに参加していますか。

最初は友人に誘われて軽い気持ちで大学の連に参加し、翌年、鳴物教室に参加したことがきっかけで、今所属している阿呆連に誘われました。大学連とは違った 圧倒的な迫力と構成の素晴らしさ、生命力のようなものに感化され、いつの間にか生活の一部分となり今に至ります。

3、なぜ、笛を選びましたか。

大学の連で、鳴物(特に笛)を担当する人が少なく、必然的に笛の担当になりました。その後、阿波おどりの鳴物教室へ参加したり、長唄囃子の笛を習い始めたり、色々な勉強や経験をするうちに、笛の魅力、奥の深さをますます身をもって知り、結果、今も笛を吹き続けています。

4、所属されている連を一言で表すと。

豪放活発。元気で華やかな連です。

 

5、連の笛の特徴と聞きどころは。

打楽器にも負けないパワーのある音。もちろん音程も大切にいたしますが、聞こえなくては意味がないので、最前列で踊る踊り子にまで 聞こえるように、踊り子が楽しく踊れるように、はっきりとした大きな音で、歯切れ良く軽快にぞめきのメロディを奏でます。

6、笛を吹くときに気にしていること。

踊り子が楽しく気持ち良く踊れるように、音量・音色・音程・リズムなど、あらゆることを気にします。あと見た目も大切…ということで、笛を吹く姿勢にも気をつけています。どちらかと言えば男性的なしっかりと構え、見ただけでも「自信を持って、全身で力いっぱい吹いていると」感じてもられるような姿勢を意識します。しかし一番大切だと思うのは、踊りを踊らせるための鳴物だという意識をしっかりと持つこと。あくまで主役は踊りです。鳴物の発表会では決してありませんので、そういった勘違いをしないように、 自分よがりな演奏にならないように、気をつけなければならないと思っています。

 

7、「これなら人に聞かせられる」、「いやまだまだ」というボーダーラインは。

1人単位でいうならば、聞き苦しくない程度に音が出る、音程がとれる、リズムがとれる…が最低条件だと思います。しかし、阿波おどりの笛は複数人で吹きますので、まだまだ未熟な人でも、とりあえず音が出て運指がそこそこついてこられるなら、メンバーの一員として阿波おどりに参加してもらっています。その分はベテランメンバーが頑張ってフォローするという感じで、団体として纏まった演奏が上記条件に適っていれば、それで可だと思っています。

8、好きな阿波踊りの曲やフレーズは。

基本的なぞめきのメロ ディー。舞台演出においては「よしこの節」の唄のフレーズを笛で吹くのが好きですが、屋外の桟敷で踊る「流し踊り」では、「ぞめき」のメロディーに勝るものはありません。

9、阿波踊りの曲以外で吹きたい曲、あるいは吹いている曲は。

長唄囃子の笛を習っておりますので、長唄の演奏は時折。民謡や童謡また若干ではありますがオリジナルでフレーズを作調したものなど、阿波おどりの舞台演出において要望があれば適宜。

 

10、毎日、どのような練習をされていますか。

ロングトーン、1オクターブの確認、しっかりとした音を安定的に出すために、腹式呼吸をきちんと意識して一音一音確認しながら音作りをしています。連全体の練習としては、踊りを伴っての鳴物全体 での演奏。この時は、それぞれの鳴物の音をしっかりと聞いて、踊りをしっかりと見て、鳴物全体が一つに纏まるように意識しています。

11、今の練習方法を確立するのに、どのくらいの年月がかかりましたか。

年々少しずつ変化しています。今でもずっと試行錯誤しています。ずっと継続している基本スタンスを、基本だときちんと意識し出したのは7~8年目の頃だったと思います。

 

12、メインでお使いの笛は(作者、仕様、調子等)

郷司 唄用 6本調子

蘭情 唄用 6本調子

 

13、笛を買うときのチェックポイントは。

吹いたら吹いただけの音量が出ること。ある程度音程が安定していること。(特に1オクターブ)響きや音色。

 

14、今、吹いて みたい、欲しい笛は。

実際に吹いてみて、自分に合う、好みだと思う笛。

作者にはこだわりません。

 

15、何本ぐらい笛を持っていますか。

30本くらい。

16、笛方でなく踊りたいと思うことがありますか。

教養として踊りも少し教わりましたが、踊るより踊らせるほうが好みです。

 

「娯茶平連」山田譲治様

1、いつから阿波踊りに参加されていますか。

30年前

 

2、なぜ、阿波踊りに参加していますか。

徳島に赴任したため

 

3、なぜ、笛を選びましたか。

一番楽そうにみえたので

 

4、所属されている連を一言で表すと。

歴史があり阿波踊りの静の部分を極めた連

 

5、連の笛の特徴と聞きどころは。

朱塗りの笛で統一し情緒のある音色

 

6、笛を吹くときに気にしていること。

構えと所作

 

7、「これなら人に聞かせられる」、「いやまだまだ」というボーダーラインは。

単に笛の音から笛の音色に変わるあたり

 

8、好きな阿波踊りの曲やフレーズは。

ぞめきとよしこの

 

9、阿波踊りの曲以外で吹きたい曲、あるいは吹いている曲は。

それぞれの魅力を笛で引き出せるようないろんなジャンルの曲

 

10、毎日、どのような練習をされていますか。

阿波踊りの際は大勢で吹くので自分の音とみんなの音をなじませられるように耳を鍛える。

 

11、今の練習方法を確立するのに、どのくらいの年月がかかりましたか。

現状では確立できていないのでさらなるステップアップを目指し模索中

 

12、メインでお使いの笛は(作者、仕様、調子等)

所属連の笛の先輩作 六本調子

 

13、笛を買うときのチェックポイントは。

調律があっていて、持った感じやうたくちにあてた感じなど自分になじむもの

 

14、今、吹いてみたい、欲しい笛は。

自分が持つイメージを表現できる笛

 

15、何本ぐらい笛を持っていますか。

20本くらい

 

16、笛方でなく踊りたいと思うことがありますか。

とくにありません。

 

「徳島文理大学連」樋口 愛様

徳島文理大、写真

1、いつから阿波踊りに参加されていますか。

大学1年生の時に徳島文理大学連に所属しました。

 

2、なぜ、阿波踊りに参加していますか。

高校生の頃、鳴り物の三味線をしている友人から話を聞き、阿波踊りをしてみたいと思うようになりました。大学に入って、阿波踊り連に所属しました。

 

3、なぜ、笛を選びましたか。

以前から篠笛に少し興味がありましたが、教室に通う程のものではありませんでした。また、高校の友人の影響もあり、大学に入学したら、阿波踊りの鳴り物をしようかなと漠然と考えていました。そんな時、大学の部活動紹介があり、文理連が最後に新入生の前で披露していました。会場に響き渡る笛の音色がどの鳴り物よりも美しく聞こえ、感動しました。私も先輩のように吹けるようになりたいと思い、笛に即決しました。

 

4、所属されている連を一言で表すと。

元気だとおもいます。他の連にはない、学生連ならではのエネルギッシュな踊りが文理大学連の特徴です。

 

5、連の笛の特徴と聞きどころは。

毎年毎年お盆は違った曲を構成中に入れるのですが、これは私たちで作った曲です。この部分は他の連にはないオリジナルで、笛の一番の見せ場です。鳴り物が一度ピタっと鳴り止み、笛が吹き始めますが、そこから聞きどころです。

6、笛を吹くときに気にしていること。

阿波踊りでは、笛だけではなく、他の鳴り物が必須です。鳴り物の司令塔である鉦の音だけでなく、太鼓、三味線の音を聞いて、テンポを合わせることを心がけています。また笛がメインの場面では私が主役になった気分で吹いています。

7、「これなら人に聞かせられる」、「いやまだまだ」というボーダーラインは。

阿波踊りは1人では完成しないものです。たとえ笛がうまく吹けたとしても、他の鳴り物と合わなければ意味がありません。逆も然りです。鳴り物が揃わなければ、踊り子も揃いません。そのような状態はとても人には見せることが出来ません。すべての鳴り物が揃い、踊り子と息の合ったものをお客様に披露したいです。

 

8、好きな阿波踊りの曲やフレーズは。

私の好きな曲は祖谷神句という曲です。この曲は今年の夏で男踊りの見せ場で披露する予定です。

 

9、阿波踊りの曲以外で吹きたい曲、あるいは吹いている曲は。

white berryの夏祭りをお盆の桟敷で毎年披露しています。おそらく誰もが聞いたことのある曲で、若い人も、阿波踊りをよく知らない人でも楽しんでいただけると思います。

 

10、毎日、どのような練習をされていますか。

今は新入生が入部し、後輩に教えながら、基礎の練習をしています。また、お盆が近づいて来ているので、披露する曲の練習を少しずつ始めています。

 

11、今の練習方法を確立するのに、どのくらいの年月がかかりましたか。

私が入る前から練習法は確定しており、歴代の先輩方が築き上げてきたものなので、歴史は長いです。ですので、具体的な年月はわかりません。

 

12、メインでお使いの笛は(作者、仕様、調子等)

七本調子 ドレミ調 東雲を使っています。

 

13、笛を買うときのチェックポイントは。

お店にある笛を一通り吹かせていただいて、自分が吹きやすいものを選び、先輩と相談しながら決定します。これは文理連の歴代の笛の買い方です。

 

14、今、吹いてみたい、欲しい笛は。

 

15、何本ぐらい笛を持っていますか。

今は東雲一本だけです。

16、笛方でなく踊りたいと思うことがありますか。

踊り子は阿波踊りのメインで、魅力的だと思います。しかし、私は笛は美しい音色を奏でることが出来、阿波踊りにはなくてはならないものだと思います。阿波踊りには、様々な曲がたくさんあり、覚えるのが大変でしたが、曲を吹くのがすごく楽しいです。私は踊りではなく、様々な曲が吹ける笛でよかったと思います。

 

アンケートにご協力頂きありがとうございました。