No.004 徹底解説!!篠笛コンテスト課題曲~山崎泰之編

2017/03/02

笛響(Fue)004号で特集されました、徹底解説!!「篠笛コンテスト課題曲」。会報では、簡易版の解説を掲載しておりますが、篠笛協会会員さま限定で更に詳しい解説をお届け致します。

このフレーズを吹いているとき、審査員の先生は、実は何を見ているんだろうか??作曲者は、どのような意図でこの曲を作ったのだろうか??などなど・・・是非ご一読くださいませ。

「花鳥風月」

花鳥風月はコンテスト用の楽曲として作曲しましたので、演奏者の技量を測りながらも楽しみながら演奏頂けるよう音楽的にも良いものに作りました。フルオーケストラをバックにさながら大河ドラマのオープニングにも聴こえるかも知れません(笑)

まず六本調子の音域をまんべんなく使い、低音から高音までのピッチ、表現力、音色を測りつつ、セクションごとに以下の様な課題を儲けました。

 

前半部分は中低音の音色、表現力、ピッチを測れるように作りました。 バックに色々な音が入っているのでしっかりと中低音を聴かせるのは相応な技量が必要と思います。 中間部は曲調も変わり、疾走感の中速いパッセージ、音の跳躍、リズム感などを確認できる要素を入れました。この部分はテンポが速いので難しかったかも知れません。

そして後半はメロディをオクターブ上げて高音域の伸び、表現力、ピッチを確認できるように、最後は速いテンポの中跳躍やトドメのロングトーンも加わり、如何にパワフルで且つ正確な演奏ができるかがポイントと思います。

 

全体を通して上記の技量を測るポイントを押さえつつ、自分が主役でオーケストラをバックに従えてどれだけ堂々と情熱的な演奏 ができているかが作曲者としての意図です。

yamazaki  山崎泰之 作編曲家・民族笛奏者

ゲーム、広告、アニメなど商業用音楽全般を幅広く手がけ、また世界中の笛を用いた演奏家として様々な場所での演奏活動を精力的に展開している。そのメロディアスで世界観のある楽曲が評価され、多方から演奏や作曲の依頼を受ける。

2015年に山梨県に移住し、素晴らしい環境に囲まれながら100年後に残る価値ある音楽の追求に邁進する。

http://yamazakiyasuyuki.com/