風音をカッコよく吹きたい!!その2

2017/03/02

こんにちは。
昨日の続き、オクターブ上の音を出すには3つの要素をどう変化させればいいか、
というお話です。

1. 息の量
2.息のスピード
3.息の向き

どれが一番大事な要素でしょうか?

よく聞く答えは
高い音を出すには「強く吹く」です。

これ、残念ながらブーー!

息の量増やして、スピードも上げる、という状態のことを
「強く吹く」と言っていると思いますが、
そのように吹くと、高い音域はいつも強い表現、きつい音になります。
そして低い音域は、いつも弱い表現、そしてたぶんピッチ低い、ということになるでしょうね。

それでは音楽になりません。
ただ、音出た、というだけになってしまいます

それでは答えは、
「息のスピードを上げる」です。
スピードをあげるために、必ずしも息の量を増やす必要はありません。
水とホースの関係を思い出しましょう。
ホースの先をつぶしたら、スピードが上がります。
同じように、アパチュアを中央に寄せるようにして、息柱の径を小さくします。

このとき、下唇からせりあがってきて、
アパチュアが小さくなるような動きができるように、下顎が柔軟に動かなければなりません。
下顎を少し前に突き出すような感じです。

鏡でみて、下顎が全く動いていないと、おそらく十分に効果がでるようには
使えていないと思います。
横笛の奏法では、、下顎の柔軟性はとても大切です。
理想的なアンブシュアがひとつだけある、と勘違いしてしまう生徒さんがいますが、
そうではなく、ひとつの音をとっても、その音量の大小にも関係して、
それぞれに適切なアンブシュアがあるといって過言ではないのです。

ここからも、
「下唇の上に笛を載せてはいけない。
下唇が笛の上に乗っていて、自由に、柔軟に動けるように、笛を構えなければならない」
ということがおわかりになるでしょう。

一から1   1から一
二から2   2から二
三から3   3から三
四から4   4から四
五から5   5から五
六から6   6から六
七から7   7から七
1から8   8から1

というように、低い音からオクターブ上の音、今度は高い音から低い音へという
練習をしましょう。
上行形よりも、高い音から低い音へ下がる下行形の方が圧倒的に難しいでしょう?

高い音から低い音へ移行するさいに、
ただ唇をゆるめる、あるいは息の量を落とす、とやってしまうと、
芯のない、ふぬけた低音部、
音の立ち上がりで音が出ない、タイムラグがあってから音が出てくる、ということが起こります。

低音域の方が、唇のテンションは高く、
横の方向へひっぱる力が入ります。
高い音は寄せる動きが入りますから、横へのテンションは逆に低くなり、
唇は柔らかく、力みが取れます。
低音域より高音域の方が、力が抜けるように吹くためには、
このような動きを習得しましょう。

高音域で力いっぱい!
低音域で脱力・・・・
というのは、間違いです。

思い込みとか、独学だとどうしてもこうなり勝ちですが、
この道は正しい道に繋がっていませんから、
だいぶ歩いてきたのに、という方がいらしたとしても、
ぜひ引き返してほしいと思います。

さあ、高い音から低い音への移行は、
低い音から高い音への移行よりも難易度が高いということが
わかった方は、なぜ風音が難しいテクニックなのか、
もうわかっちゃったかもしれませんよ!

次回はいよいよ風音について。
また長くなってしまったので、
今回はこれにて。